松千代が突然ヨーロッパへ行くことになったのは、松千代が奉公している会社が今後海外に事業を展開する目的で、海外、特にヨーロッパの状況を視察することになり、たまたま松千代が英語が話せるのとフランス語がほんの少し出来るということで4人の視察メンバーに通訳及び外渉要員として加えられたのである。
決定したのが11月で、それから急いで準備を整え、12月5日の朝に出発とあいなりました。松千代はボディビルダーなので、約2週間もトレーニングが出来ないのがとても耐えられないのと、エコノミーの狭い席に12時間も座りっぱなしというのが嫌で、本当は行きたくなかったのだが、結構な額の支度金が出るということと、一日くらい向こうでもトレーニングする時間が取れると言われ(実際はそんな暇など全くなかったのだが・・・)行く決心をしたのであった。 |