2日目
(エジンバラ〜Stアンドリュース)

教会の塔の上から、STアンドリュースの町とその向こうに見える有名なオールドコース。
今日は土曜日。 ゴルフ好きの社長の命令で、ゴルフ発祥の地であり、有名な全英オープンが開催されるという、Stアンドリュースという町に行ってそこにあるゴルフ博物館を視察し、ゴルフ用品をお土産に買って来なければならない。
松千代はもちろんゴルフなんかには全く興味がないし、同行メンバーも誰一人として興味なし。 しかし仕事なので行かなければ。

その日は前日10時にはベッドに入った為、朝7時にスッキリと起床できた。 ジェットラグも吹き飛んだ位充実した睡眠であった。 
ただ、困ったのはシャワーである。 朝シャワーを浴びようとシャワー室に入ると、なにやら見たこともない、ダイヤルが2つ付いた箱のような物が付いていた。 どうやら上のダイヤルが2段階での水量調整ノブ、下のダイヤルが温度調整ノブのようであった。 しかしこのノブ、水量調節を「最強」にしても、

チョロチョロしか出ない
また、温度調節が全く効かず、
熱湯と冷水がひたすら交互に出てくるのである。 
仕方ないので、熱湯が冷水に、またその逆に変化する途中の丁度良い温度の時に素早く浴びることを繰り返し、無事シャワーを浴びたのであった。

ホテルの朝食はトラディッショナルなイギリス式朝食であった。 卵、ソーセージ、ベーコン、豆、ポテト、焼きトマトと山のようなトーストと山盛りフルーツ、ヨーグルト等。 そしてコーヒーと紅茶。 素材は新鮮で調理したてが出てくるので、とても美味かった。 後日食べたロンドンの大型ホテルのトラディッショナルの朝食とは内容は一緒でも、段違いの美味さであった。

8時半にホテルを出発し、エジンバラの中心部にある、ウェバリー駅へ徒歩で向かう。 エジンバラ市は京都市と姉妹都市関係にあるのだが、さすがに古い町並みである。 というかほとんど中世そのまんまといっても良い
位建物が古い。 
石畳の道を少し歩いていくと、突然岩山の上に建つお城が見えてきた。 これがかの有名な
エジンバラ城である。

エジンバラの町並み

エジンバラ城

エジンバラ城は、かの有名な小説「ハリーポッター」で、ボグワーツ魔法学校のモデルと言われているお城である。
また、歴史上でも、数々の戦乱を経験した歴戦の城であり、スコットランド史上重要な役割を果たした城である。

30分位歩くと、エジンバラ城の建つ岩山の麓の谷状のところにある、ウェバリー駅に到着した。 
この谷状の所は昔は水があり、城のお堀のような役目を果たしたり、魔女裁判の時に魔女と思われる女性を手足を縛って沈め、浮いてきたら魔女として火あぶり、沈んだら魔女ではない(でもほとんどの場合溺死した)と判断した場所だそうだ。 
今は駅と公園(自分が行ったときは移動式の遊園地やアイススケート場が設置されていた)となっている。


谷間にある遊園地

ウェバリー駅では、ダンディー行きのディーゼル列車に乗るまで時間があったので、インターネットカフェで家の奥方様へE-メールを送った。 英語しか打てないので英文で書いた。こういう時に奥方様も英語が話せると非常に便利だなと思った。

セントアンドリュースへ行くには、ウェバリーからダンディー行きの列車に乗り、ルーカス駅で降りる。 約40分の旅である。 イギリスの客車は一等クラスと二等クラスに分かれており、ブリットレールパス(イギリス全土で使える期間限定のフリーパス)を使っている松千代一行は二等クラスのコーチに乗る。
客車内には普通に縦に並んだシートと、机のついた対面シートとがある。 空いていたので机のある対面シートを2つ占領し出発した。 途中混んできて、隣に地元の人達が座ってきた。 もう一方の席に座ったおばさんがかなりのおしゃべりで、英語がほとんどわからない2人になにやら一生懸命話し掛けていた。 
二人は30分以上訳のわからない英語を聞くはめになり、物凄く迷惑そうだった。
そうこうしているうちに目的のルーカス駅へ到着。
スコットランドはイングランドと同じで曇った日が多い。(特にこの時期は暖かい海の水蒸気で雲がたくさん発生する)
タクシーの運ちゃんも言っていたが、珍しく青空が見える晴天だった。


大変だった2人

ルーカス駅

ルーカス駅からタクシーに乗り、セントアンドリュースの町へ。 外の景色はなにか牧歌的なのどかな景色か続く。
ほどなくしてセントアンドリュースに到着。 途中タクシーの運ちゃんが、「あれが有名なオールドコースだよ。」とゴルフのコースを見せてくれた。
とりあえず有名な観光地である、セントアンドリュース寺院の廃墟に行く。 この廃墟の周りには無数のお墓があってお墓の上を歩きながら建物を見て回るので、少々不気味だった。特に土曜日にもかかわらずほとんど人がいないのも寂しさに一層輪をかけた。 立派な寺院の廃墟の尖塔を見ると確かに昔は壮大な寺院だったことが伺える。 ビジターセンターでトークンを買い、教会の廃墟にある高い塔に登った。
狭い入り口にトークンを入れ、人一人がやっと通れる程狭い螺旋状の石階段をひたすら登っていくと頂上に出る。
頂上からの景色は最高で、お金を払って登ってきた甲斐があったと思った。
眼下にセントアンドリュースの町並みと、その向こうには岬状にひろがった有名なオールドコースが見渡せた。



寺院の廃墟の尖塔

塔の上からの景色

次に寺院の隣にある、セントアンドリュース城の廃墟に行った。 この城のビジターセンターには、城の歴史を展示する部屋があり、過去この城で行われた裁判、処刑、戦争の場面を復元した人形等が展示してあった。
また、城の城壁の端にある、一度入れられると二度と出ることが出来ないといわれた、竪穴状の牢屋が残っていた。穴を覗くと15m程下に大きな広間があり、はしごを使って囚人を降ろした後は、はしごを上げてしまえば絶対に脱出不可能だと思えた。実際にここで数多くの人が、二度と外の景色を見れずに命を無くしたと思うと何か感慨深い。


火あぶりにされる人と
記念撮影

城を後にし、いよいよ本当の目的である、ゴルフ博物館へ。 ゴルフ好きには堪らないのだろうが、興味のない松千代一同は、つまんないな〜と愚痴りながら一通り見学し、証拠の写真とお土産を買った。 これで仕事が一つ終了。

博物館内

遅めの昼飯を町の中のサンドウィッチ店で済ませ、バスに乗りルーカス駅へ。 このバスがまたとんでもない
暴走バスで、とにかくアクセル全開で爆走してくれた。 いくら空いているからといってあれは飛ばしすぎだろ。 正直ジェットコースター並の乗り心地でした。
ルーカス駅では、30分程電車を待った。 その時アメリカ人旅行者らしい2人の青年が切符売り場で、「次のエジンバラ行きの列車は何時?」と駅員に聞いていたが、どうやら駅員のスコットアクセントがわかり辛いらしく、何度も聞き返した挙句、有難うと言ってカウンターから離れ、もう一人の青年が「何て言ってた?」って尋ねていた青年に聞くと、「わかんね〜。」だって。 やっぱりスコットアクセントはわかり辛いようです。

エジンバラのホテルに夕方の5時ごろ戻り、しばしの休憩。 今日はこの後7時より仕事で、エジンバラ大学に研究員として勤めている日本人の方との会食がある。 エジンバラ一の高級レストランを予約してくれているらしいので仕事とはいえ楽しみである。 
7時にホテルに迎えに来てくれるそうなので、7時にホテルのロビーに降りる。 先生は既に来ていて、挨拶等を済ませるが、もう一つの部屋の若い2人がいつまでたっても降りてこない。 フロントで電話を借り部屋へ電話してみるが全く応答なし。 20分ほど過ぎて再度電話するがまたまた応答なし。 
いくらなんでも変なので、部屋へノックしに行く。 ドアを何度もノックするが応答なし。代わりに中から

オーケストラのような鼾の二重奏が聞こえてきた・・・・・。
更に激しくドアをノックし、起こそうと試みるが全く目覚める兆しがないので、あきらめて置いていくことに。
やはり昨夜のパブがいけなかったようだ。

先生に非礼を詫び、フロントにメッセージを残し食事に出発。
レストランはウェバリー駅の近くの歴史あるホテルの中にあるレストランで、どうやら正装でないと入れないらしい。 しかし、ここで食べた、
本場アンガス牛のステーキは最高に美味しかった。

食事の後は、先生が夜のエジンバラ市街を案内してくれた。 ライトアップされたエジンバラ城は、まるで映画のセットのように夜空に浮かんでいた。 城門まで歩いていくと、眼下にエジンバラ市街の夜景が見渡せ、クリスマスシーズンということもあり、綺麗にライトアップされた街は非常に幻想的でした。


城から見た
エジンバラの街

ライトアップされた
エジンバラ城

エジンバラ城の
城門

城から見た
遊園地の夜景

夜の観光を終え、ホテルに戻ってもまだ二人は寝ているようだ。 よほど疲れていたのであろう。 放っておいて寝かせることにした。
明日は日曜日なので、仕事はなし。 エジンバラ城の観光とお土産を買う予定。