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今日はいよいよ、憧れの地、ブライトンに行く日である。
ブライトンと言えば、映画「さらば青春の光」のロケ地として、
また、松千代が小学生から好きだったブリティッシュロックバンド、QUEEN
のナンバーで、ブライトン・ロックという曲のタイトルとしても使われている町である。
ブライトンには、映画の中でも沢山映っていた、
ブライトンピアーという桟橋の上に遊園地が丸ごと乗っかっている、いわば海上遊園地があるし、映画の中で主人公がバイクで飛び降りる白亜の大絶壁、
「セブンシスターズ」でも有名な所である。
東京で言うところの湘南のような、ロンドンのリゾート地である。
さて、この日は朝7時に起床し、シャワーを浴びる。 スコットランドのホテルと違ってこちらのシャワーはまともである。 しかし、そこはさすが安ホテル、
備品が石鹸しかない・・・・・。
しかも、
ドライヤーがない・・・・・・・・。
仕方ないので、タオルドライだけで済まし、フロントへドライヤーを借りに行くと、ハウスキーパーオフィスへ行ってくれと言われた。 そこで、2階にあるハウスキーパーオフィスへ行く。 そこには太ったハウスキーパーのオバサン2人がいたので、ドライヤーを貸してくれと言うと、
「じゃあ、デポジット20ポンドね。」
仕方なく20ポンドのデポジットを払うと、今にもぶっ壊れそうなドライヤーを奥から持ってきて渡してくれた。 このドライヤー、見た目のボロさからは想像できない位パワーがあり、結構重宝しました。
8時になったので、隣の部屋の連中と落ち合い、朝食を食べにレストランへ行く。
レストランは異常に広く、まだあまり混んでいなかった。
ビュッフェスタイルになっており、トラディッショナルなフルブレックファーストと、コンチネンタルブレックファーストに分かれていた。 松千代一行はもちろん安いチケットなので、シリアルとパンとコーヒーのみのコンチネンタルが付属していた。 しかし、松千代はとても腹が減っていたので、無謀にも追加で6ポンド払い、フルブレックファーストに代えてもらった。
20年前の不味かった朝食の記憶も、空腹の前には霧散していた。
フルブレックファーストのエリアには、ベーコン、卵、焼きトマト、フルーツ等、少なくとも見た目はスコットランドの朝食と変わらない物が並んでいた。
腹減っていたので、とり合えず取れるだけ取って席についた。
そして一口食べてみると、・・・・・・・・・・・・
やっぱり不味かった。
似て非なるものとはまさにこのことだったと、身をもって知らされた。
空腹だったのでなんとか腹に全部詰め込み、出発の準備をしてホテルを出たのが9時だった。 ホテルの外へ出てみると爽やかなロンドンの朝であった。
ロンドンの朝 |
ブライトン行きの列車は、ビクトリアステーションから9時半の発である。
ホテルからビクトリアステーションまでは地下鉄で行くことにする。
ロンドンの地下鉄に乗るのは初めてだったので、少しワクワクしながら地下へ降りていく。
地下鉄が地響きを立てながらホームに入ってきた。
ロンドンの地下鉄は想像していたよりずっと小さかった。 日本の地下鉄の三分の二位の大きさしかないのではないだろうか。 乗り心地もあまり良くなかった。
地下鉄です。 |
ほどなくしてビクトリア駅に到着。
階段を上がり、地上駅に行き、電光掲示板でブライトン行きの列車の発車時刻とホーム番号を確認する。 ところがなんとブライトン行きの列車は、
「信号故障の為、1時間の送れ」
となっているではないか。(下の写真の電光掲示板の向かって一番右の赤い札がでてるのがブライトン行)
電光掲示板 |
ビクトリア駅 |
仕方がないので、一時間時間をつぶすことにした。 地図を見ると、ビクトリア駅のすぐ近くにバッキンガム宮殿があるではないか。 ただ待っているのも馬鹿らしいので、早速バッキンガム宮殿を見に行くことにする。
バッキンガム宮殿には駅から歩いて15分程で着いた。
なるほど立派な宮殿である。 どことなく日本の迎賓館に似ているような気もする。
門の周りには、ブルックボンド紅茶で有名な、衛兵がいるではないか。
しかし、例の赤いユニフォームではなく、冬服なのかグレーのユニフォームを着ていた。
微動だにしないことで有名な衛兵なので、しばし見つめていると、
結構動いてる・・・・・。
バッキンガム宮殿 |
有名な衛兵の交代を見たかったのだが、時間がないので諦め、ビクトリア駅に戻る。
ビクトリア駅に戻って再度電光掲示板を確認すると、
まだ赤札が出ている・・・・・・・・・・・。
しかも、
時間が1時間延びている・・・・・・・。
イギリスに来る前に、イギリスの電車は良く遅れたり、突然キャンセルになったりするからあまり当てにしないほうがいいよと忠告を受けたのをすっかり忘れていた。
このままでは、ブライトンに着くのが遅くなってしまう。 それどころか電車が本当に出るのかもわからない。 大学の先生とのアポイントメントはお昼である。 それまでにブライトンに着かなければならないのだが、と色々と考えてるうちに30分程時間が経ってしまった。
再度電光掲示板を確認すると、
再び時間が1時間伸びている・・・・・・。
加えて、
理由が信号故障から架線工事に切り替わっていた・・・。
恐るべし、イギリスの鉄道。
万事休すである。
他になにかブライトンへ行く方法はないものかと、ガイドブックを見てみると、バスが出ていることがわかった。 しかもバスステーションはビクトリア駅から歩いて10分程のところにあるらしい。 バスだと、ブライトンまでは電車の倍の2時間かかるとガイドブックには書いてあった。11時を過ぎていたので、アポイントの時間には間に合わないが、とりあえずブライトンへ行きたいので、バスステーションへ移動する。
バスステーションで時刻表を確認すると、次のブライトン行は12時発である。
ブライトン到着は14時過ぎ。 ここで先生への表敬訪問は諦めざる終えなかった。
しかし、せっかくここまで来たのだから、ブライトンへ遊びに行こうということで満場一致し、ブライトン行きのバスチケットを4人分買う。
ロンドン市街や、イングランドののどかな田園風景等を見ながらのバスの旅はなかなか快適でした。 この田園風景が、「さらば青春の光」のなかで主人公がブライトンへ行く途中べスパで走る田園風景とそっくりで、ちょっと感動した。
2時間ほどしてバスは予定通りブライトンの町に到着した。
バスを降りると潮風が冷たかった。 路地を抜けると目の前に海が広がり、カモメの鳴き声と潮の香りが周りを包んだ。 そして左前方に憧れのブライトンピアーが見えるではないか。 とうとうここに来たというあまりの感動に思わず走り出してしまった。
ブライトンピアー |
桟橋の上をゆっくりと先端に向かって歩いていく。
板の隙間から下を見ると海である。 海水は結構綺麗で、魚等が見え隠れする。
桟橋の中間には、大きなドーム状の建物があり、中に入ると広大な
ゲームセンター&カジノであった。
ゲームの中には、日本製の物が多く、警視庁って書いてあるパトカーの追跡ゲームなんかもあった。 日本で見ないような面白いゲームも沢山あったので、しばしゲームをして遊んだ。
ドームを抜けると、なにやら香ばしい匂いがしてきた。
その匂いの主は、ブライトン、というかイギリスの名物料理、
フィッシュアンドチップスであった。
イギリスに来てまだ食べていなかったので、4人分注文する。
ほどなくして出てきたのは、
ジャイアント馬場の十六文のような巨大なフィッシュフライとその下にびっしりと敷き詰めてあったポテトの山である。
しかも油がギラギラとしていかにもグロッキーである。
この巨大なフィッシュフライに酢をぶっかけて食べるのだが、さすがの松千代も食べきれなかった。
お店 |
フィッシュ&チップス |
食事を終え、さらに先端に向かって歩いていく。
遠くを見るとうっすらと白亜の大絶壁、
セブンシスターズが見えるではないか!
あそこから映画の主人公はべスパで飛び降りたのか〜なんて考えながらしばし見とれてしまった。
桟橋の先端は小型の遊園地になっていて、ジェットコースターからメリーゴーランドまで様々な乗り物が設置してあった。 平日のせいかあまり人はいなかったが、週末や祭日などはすごく混雑しそうな場所だった。
せっかく来たのだからと、「クレイジーマウス」とかいう小型のジェットコースターみたいなやつに乗ってみた。 これがかなり面白かった。 たいしてスピードは出ないのだが、下はすぐ海なので、海に飛び込むような錯覚を受け、かなり怖かった。
そうこうしているうちに時間は3時半、もうすぐ日没である。 桟橋を戻っていき、海岸沿いのプロムナードに出たときに丁度太陽が海に沈む所だった。
あまりに綺麗だったので写真を撮った。
暮れなずむブライトンの町 |
沈む夕日 |
帰りはバスではなく、鉄道で帰ることにして、ブライトン駅まで30分ほどかけて歩いていく。
ブライトンという町はリゾート地らしく、非常に綺麗な町である。 こんな町に住みたいなと心から思う松千代であった。
少し歩くと、左手になにやら悪趣味な建物が見えてきた。 インド風なのかイスラム風なのか、なんかゴチャゴチャな感じの建物である。 聞くと王様の別荘なのだとか。 昔の王様がアジアをイメージして建てた宮殿なんだそうだ。
悪趣味な宮殿 |
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宮殿の横を通り、緩やかな坂を登って駅に到着。 丁度ロンドン行きの列車が発車する所だったので急いで乗り込もうとするがタッチの差でドアを閉められた。 ドアを開けようとすると、駅員らしい人に大声で、「もう駄目だ!」と叫ばれてしまった。
平気で1時間も2時間も遅れるくせに、一秒たりとも待ってはくれないイギリスの鉄道って・・・・・・・・。
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結局次の列車まで30分ほど待つことになってしまった。
ロンドンに到着したのは午後6時頃。 そこから地下鉄でホテルに帰るのだが、ただ帰ってもつまらないので、2駅ほど手前の有名なピカデリーサーカス駅で降りてそこから繁華街のソーホー地区を通ってホテルに戻ることにする。
ピカデリーサーカス駅ではさすがに人でごった返していた。 地下鉄の構内でギターを演奏している人がいた。 日本にもフォークギター野郎がたまにいるけど、ここはイギリス一味もふた味も違った。
エレキギターにアンプを接続し、超大音量で弾きまくっていた。
恐るべし、イギリスの地下鉄。
人波でごった返すピカデリーサーカスを抜け、繁華街ソーホー地区に入ると色々な国籍の人や多国籍のレストランが沢山立ち並んでいた。 ストリップ小屋や、風俗店等もちらほら見える。 レストランには日本食屋さんも何件かあった。
ソーホーを抜け、オックスフォード通りを大英博物館の方に歩いていく。
博物館の前を通り、少しいくともうホテルである。
ホテルの近くに美味そうなイタリアンレストランがあったので、夕飯はここで食べることにする。 スープとスパゲッティーを食べたが非常に美味しかった。 あまりに美味しかったので、
翌日の夕食もここで食べることになった松千代一同でした。
明日はイギリス中部の都市、シェフィールド市に行って、市の職員との昼食会やら施設の視察やらで丸一日仕事です。都合6人位の人と合って話を聞くそうです。
通訳の松千代はそれを考えると鬱です。
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