第1回小笠原旅行
第1回ってことは・・・2回目3回目があるってこと??
平成20年8月3日〜8月8日
ウェブ アニメータ
旅行イメージw
1年間の計画の後、松千代一家は憧れの小笠原諸島へ行ってきました。   まあ、1年の計画と言っても1年前に行こうって思い立っただけなんですけどね。 ご存知の通り小笠原は、「世界一遠い東京都」とか「東洋のガラパゴス」とか言われている場所です。 そこに行くには誰しも25時間半の船旅に耐えなければなりません。 天候が良く波が無ければたいした事はないのですが、海が荒れていると・・・・・・・・・・・それは無限地獄と化します。
それでは、とても楽しかった楽園への船旅の写真とレポをどうぞ。
1日目
小笠原に行くには小笠原海運の運行する、おがさわら丸に乗らなければなりません。 おがさわら丸は夏期間は3日置きに、それ以外の季節は6日置きに竹芝桟橋から出航しています。 竹芝桟橋出航時間は午前10時。 9時には搭乗手続きをしなければならないので、9時に着くように地下鉄とタクシーで行きました。 船室の等級は、特等、特1等、1等、特2等、2等とあり、一般的な2等は大広間で雑魚寝。 特2等は2段ベッド、1等は個室で2段ベッドとなります。 夏の混雑期は2等だと難民船並にごった返す(一人のスペースの幅が50cm位)そうなので、子連れの松千代一家はちょっと高い特2等船室を取りました。 後で知りましたが、この時の乗船人数は500名弱だったそうで、お盆の時期の満員時の半分でした。 お盆の時期を外せば2等でも割とゆったり行けると思います。 でも、周りを気にせずゆっくりしたいなら最低特2等が良いかも。
9時半に乗船開始して、10時に出航。 出航時には銅鑼や汽笛が鳴って気分を高めます。 これから長い船旅が始まると思うとなんだかワクワクします。
東京湾内は船の交通量が半端じゃないのでおがさわら丸もとてもゆっくりと航行します。 ずっと甲板に出て外を眺めてましたが、横須賀沖あたりで飽きて船内へ。 子供達と船内探検したり、ラウンジでトランプしたり、船室のベッドで昼寝したりして過ごしました。 船内ではとにかく本読むか食べるか寝るかしかやることが無いので、割り切ってぐだぐだするのが一番です。 時間がとてもゆっくりと流れていきます。なんか船の中から既にバカンスモードって感じでこんなゆったりした時間なんてずいぶんと無かったなぁなんてね。 海さえ静かなら船旅も悪く無いなぁ。
乗船手続き。
停泊中のおがさわら丸。
船内。船の中心にあるこの
階段を昇ると指定席エリア。
出航直後。
東京湾をゆっくり進んでます。
前方にレインボーブリッジ。
レインボーブリッジを下から
さらば東京。
しかし、海の色が恐ろしく汚い。 比較にポイント毎の海の色を載せてみます。
竹芝桟橋の海
東京湾内。横須賀沖あたり。
館山沖あたり。
この辺からトビウオが出現。
外洋にでました。 三宅島あたり。
トビウオがバンバン飛びます。
八丈島の手前あたりかな?
だいぶ陽が落ちてきて暗くなってきた。
一夜明けて小笠原諸島の北端あたり。
父島近海。有名なボニンブルーの海。
父島二見港内の海。
底が砂なので白っぽい。
八丈島沖あたりで日没を迎えました。
甲板で見た、太平洋の水平線へ沈む夕日はとてもキレイでした。
ちょっと割高のレストランで夕食を食べ、夜には星空観測会に参加しました。
星空観測会といっても8時に甲板の電気を全部消すので、天気が良く月が出ていなければ物凄い星空が見れるのだそうです。 今回は生憎月が明るく出ていましたが、それでも灯り一つない太平洋のど真ん中ですから物凄い数の星が天空を飾っていました。 天の川も綺麗に見えてましたし、少しの間空を見上げるだけで流れ星がいくつも見えました。 1時間程飽きずに星空を眺めて早々に就寝。 船のゆったりした揺れがまるでゆりかごのように心地よくとても良く眠れました。
太平洋に沈む夕日。
レストランで食事中。
お兄ちゃんが手首に
巻いているのは酔い止め
バンドww
星空観測会。
2日目
船の揺れも手伝って良く寝れましたが、3回の昼寝が効いたのか夜中の3時半に目が覚めてしまいました。 しばしベッドでゴロゴロしていましたが、寝れないので甲板にでも出ようと船室を出ました。 するとラウンジや階段横の休憩スペースに数人の先客が。 どうやらみんなも同じように昼寝のしすぎで寝れなくなったようです。 ラウンジで新聞等を読んだりして時間潰ししていると外が明るくなってきました。 甲板に出ると夜明け間近のようです。 刻一刻と空の色が変化し、雲が鮮やかに彩られていきます。 なんと神秘的な景色なんだろう。 太平洋のど真ん中で迎える日の出はまるでこの世のものとは思えない程美しかったです。 自然の織り成すスペクタクルショーを観た後は船室に戻って再び寝ました。 朝8時半からの船内見学ツアーに家族全員で申し込んであるので8時に起きて集合場所へ。 このツアーは船のブリッジや機関室を見せてくれるとても面白いツアーです。 ブリッジに上がると色々な計器の説明等してくれます。 船のナビシステムやレーダー、昔ながらの海図等色々興味深かったです。 次に機関室へ行きました。 ここではまず機関制御室で計器類の説明、そして物凄い音と異常な暑さ(50度以上)の機関室へ降りていきました。
全速稼動中の船の巨大なV18気筒×2エンジンは凄まじい音と熱を発してました。 現代ではエアコンの効いた機関制御室からの遠隔操作で異常が無ければ機関室には入りませんが、第二次世界大戦時の戦艦等の時代はこの劣悪な環境で機関員達は働いていた訳で、ほんと昔の人は凄かったと思わざるを得ませんでした。
見学ツアーが終わり少しして甲板から目的地の父島が見えてきました。
海の色はもの凄く綺麗で、トビウオや他の魚が跳ねてます。
午前11時半に無事父島二見港へ入港。 港の中の海もとても綺麗で底が見えてます。 岸壁には迎えの人達が手を振っています。 島の景色はまさに南国って感じです。 25時間半のとてもゆっくりできた船旅もこれで終わりです。 
なんか長かったような短かったような・・・・・。

夜明け前の空。 とても神秘的です。
日の出です。
おがさわら丸のブリッジ。
計器を前に色々と説明してくれます。
船舶のナビゲーションシステム。
蛇輪です。
思ったよりとても小さいです。
こんな記念撮影も。
速力計。現在22.5ノット
時速42km位
船舶レーダー
ここは機関室の横にある
機関制御室。
ここは音も遮断され、
エアコンも効いていて快適です。
機関室です。滅茶苦茶暑くてうるさいです。
これが漢のV18気筒エンジン。
これが各スクリューに1個づつあります。
父島が見えてきました。
二見港です。
二見港。
海の色が綺麗です。
岸壁には出迎えの人がたくさんいます。
船は折り返し竹芝桟橋へ出発です
おが丸とはしばしのお別れです。
小笠原父島上陸記念。
船を下りるとお世話になる宿の人が迎えに来ていました。 今回松千代一家がお世話になるのは「ヴィラ・シーサイド」さんで、別館のコンドミニアムを借りました。 家族5人だとコンドミニアムを借りて自炊した方が全然安上がりなのです。 ただし、コンドミニアムは島の中心地である大村地区とは離れた場所にあるので、ちょっとした買い物するにもとても不便です。 ですのでレンタルスクーターを1日借りることにしました。 バイクを借り、コンドミニアムに着くととにかく早く海に行って泳ぎたかったので早速近くの宮之浜というビーチへ行きました。ビーチには先客は1組だけいました。 多くのほかのビーチもそうですが、とにかく空いています。この時期だと2〜3組のグループがビーチにいると混んでいるそうです。このビーチは珊瑚礁がとても綺麗で、たくさん魚もいるスノーケリングにはお勧めのビーチです。 海に入るとさすがに透明度は抜群で、綺麗なサンゴや熱帯魚がたくさん見れました。 子供達も大喜びです。 ただし、遠浅で引き潮だったこともあり、そこそこ潜れる水深になるまではサンゴを避けながらかなり行かなければなりません。 十分に注意していないと膝等をウニやサンゴで傷つけてしまうのでなかなか大変でした。 結局夕方の6時頃まで海で遊んで宿へ帰りました。 明日は今回の旅のメインイベント、船に乗ってのドルフィンスイムとホエールウォッチング、南島上陸、海中公園でのスノーケリングと丸1日のコースです。
レンタルスクーター。
島での移動にはとても便利です。
コンドミニアム。
宮之浜です。 誰もいません。
水はとても綺麗です。
とても静かな海です。
3日目
今日は待ちに待ったドルフィンスイムの日です。
今回の旅行はまさにこの為と言っても過言で無いほど家族一同楽しみにしていました。
朝8時にコンドミニアムの近くまで今日連れて行ってくれるショップ「パパヤ」さんが迎えに来てくれました。 車に乗って一度ショップへ行き、そこで他の参加者さん達を乗せて桟橋に行きます。 父島はとても狭いのでどこに行くにもあっと言う間って感じです。
桟橋で大型クルーザーに乗りいざ出航です。
今日の予定は、ドルフィンスイムと珊瑚で出来たとても美しい島、南島へ上陸、外洋に出てマッコウクジラウオッチング、父島を1周して兄島海中公園でスノーケリングと盛りだくさんのメニューです。
二見港を出るとすぐにイルカの群れを発見。 ですが、先客が4隻いたのでスルーして他のイルカを探します。 ローカルルールで一度にドルフィンスイムが出来るのは4隻までと決められているそうです。 そのままイルカを探しながら南下し南島へ。 南島はまだ誰も来ていないようなのでとりあえず最初に上陸と散策をすることになった。 桟橋等はない全く自然のままの島なので小型の船に乗り換えて入り江の岩から上陸する。 これもローカルルールで1日に上陸できる総人数が100名と決められているそうだ。 また、この島ではゴミを持ち込まない、動植物、はては石や貝殻に至るまでなるべく触らない、触っても元通りに戻す、絶対に持ち帰らない等厳しく制限されている。 美しい自然を守るのは並大抵のことではないようだ。
この島には超有名な扇池という絶景の浜辺があるのと、昔に絶滅したヒロベソカタマイマイというとても綺麗なカタツムリの化石が大量にある。
もちろん、その化石も持ち出し禁止なのだが、ツアーの中の一人のオッサンが素早く一つポケットに入れるのを見てしまった。 そこいらに大量に転がっているので一つ位って思うのだろうが、来る人来る人みんなが同じように持って帰ったらあっと言う間に無くなってしまうだろう。 以前石原都知事がこの島の美しさに感動して、この自然を守る為に数年間立ち入り禁止にしていたそうだ。近年上陸が条件付で再開されたらしいが、このような行いを目の当たりにしてやっぱり自然を保護するには観光客を入れたら駄目なんだなぁと思いました。
パパヤのクルーザー「ミス パパヤ号」
船上でくつろぐ子供達
右に見えているのが南島
サメがいつもいる、鮫池という入り江から上陸
島の中心部
これが超有名な扇池
この後ここでみんなで泳ぎました。
水が超綺麗で、熱帯魚が多くいました。
これがヒラベソカタマイマイの化石です。
浜辺のいたるところに転がっています。
透きとおるような白さでとても綺麗です。
この扇池にはウミガメが多く
産卵しにくるそうで、孵化した後の卵の
殻が落ちていました。
この島のヤドカリはヒラベソカタマイマイの
化石を好んで使うそうです。
っていうかこの島にはそれしか無いみたい。
南島を後にし、 再びイルカの群れを探します。 父島近海にはハシナガイルカとミナミハンドウイルカの群れが定住しているそうで、ハシナガ゙イルカは警戒心が強くあまり一緒に泳いでくれないそうでドルフィンスイムには向いていないとのことで、泳ぐならミナミハンドウイルカだそうです。
しばし走ると船長がイルカの群れを発見しました。 近くに寄るとかなり大きな群れで海面下に数十頭のイルカが見えます。 船長曰くハシナガイルカの群れだそうで、海に入っても一緒に遊んでくれないけど、試しに入ってみる? とのことだったのでもちろん入ることにしました。 水深がかなり深いし、潮流も速い場所でしたが、驚く事に子供達は躊躇無くどんどん飛び込んで行きます。 イルカ見たさで恐怖を感じないようです。 松千代も子供達に続いて海に入りました。水は真っ青に澄んでいて底は見えませんが、前の方から30〜40頭のハシナガイルカがこっちに向かってゆっくりと泳いで来ました。 中には小さな赤ちゃんイルカを連れた母イルカもいました。 いきなり数十頭の大きな群れを間近で見たので海に慣れているハズ(一応ダイブマスターのライセンスを持ってる)の自分もちょっと感動モノでした。
一緒に遊んでくれず、すぐに行ってしまうハズのハシナガイルカの群れですが、何故か松千代の真下でしばし動かずに止まってくれたので写真も撮ることができました。 数分の後、近くまで素潜りで潜ろうかと思っていたら群れが動き出し、海中に消えて行ってしまいました。 さすがにハンドウイルカのように近寄ってきて回りをグルグル廻ってくれたりはしませんが、それでもかなりの時間一緒に泳げたので松千代とうちの長男は大満足でした。  奥様とあと二人の子供はエントリーした場所が自分と少しズレていた為最初の数十秒しか水中でイルカの群れを見れなかったそうでちょっと不満げでした。 船に上がった後は適当な入り江に入って船の上で昼食です。 食べ終わった後は30分位船の周りでスノーケリングを楽しみました。 驚いたのは子供達がかなり素もぐりが上手くなっていたことです。 自分は10m位の水深なら大丈夫ですが、中3の長男と小5の長女は5m〜7m位平気で潜れるようになってました。 毎年伊豆にスノーケリングに連れて行っていた成果ですね。 水中で自由自在に戯れる彼らを見ているとまるでイルカの兄弟のようです。
イルカの群れです。
水中で真下に止まっているイルカの群れ。
熱帯魚とスノーケリング。
巨大なテーブルサンゴと娘
長男と巨大なテーブルサンゴと魚
食事の後は一路外洋へ。 小笠原近海の外洋にに定住しているマッコウクジラを見に行きました。 外洋に出ると全く海の色が違います。 かなり深い青色です。 それもそのはず、マッコウクジラが住む海は水深数千メートルの場所だそうです。 30分位全速で外洋に向かって走ると船長がクジラの噴出す潮を発見しました。 マッコウの吹き上げる潮は海上だと3キロ位離れていても判るそうです。 急いでその方角へ行って見ると、いました。まるで巨大な潜水艦のように頭を水面に出して優雅に泳ぐマッコウクジラが。 船の前方30m位の場所を泳いでいました。 定期的に吹く潮の音と息吹が間近に感じられます。 
しばらく見ているとクジラは頭をこちら側に少し持ち上げ船を見るような仕草をしたかと思ったら大きくテールを持ち上げて深い海へ潜って行ってしまいました。 マッコウクジラは一度潜ると40分〜1時間近く水面に出てこないそうです。仕方なく別の個体を探すと再び遠くで潮吹きを発見。今度は3匹の群れでした。この群れもしばらく見ていると大きくテールを上げて次々と潜って行ってしまいました。 なんとダイナミックで壮大な光景なんだろう。 この自然豊かな海を愛さずにはいられません。
ちょっと見え難いけど、潮を吹くマッコウクジラ
海面に浮くマッコウクジラ
テールを持ち上げて潜り始めるクジラ
ホエールウオッチングを終えて再び父島へ向かう。
この頃になるとさすがに疲れたのか子供達は船上でうたた寝を始めた。
走ること数十分、今度は綺麗な珊瑚礁とたくさんの熱帯魚で有名な兄島海中公園についた。 ここで1時間ほどスノーケリングを楽しんだ。 海に入ると水深は5m程でまるで竜宮城のように色鮮やかな珊瑚礁が広がり無数の熱帯魚が泳いでいる。 子供達は大喜びで疲れも忘れ素もぐりに興じている。 特に小5の娘は下からナマコを拾ってきては自分に見せに来る変わった子である。
そろそろ夕方になってきたので港へ帰ることになった。 残念ながら今回は遊んでくれるミナミハンドウイルカとは会えなかった。 余程悔しかったのか、奥様と娘は港につくなり、最終日の半日ドルフィンスイムツアーに申し込んでいた。
1回のつもりが結局2回ツアーに参加することになった松千代一家でした。
まあ、せっかくはるばる来たのだから心残りのないようにしないとね。
4日目 ビーチで1日
今日は朝からレンタカーを借りて島内の色々なビーチ巡りをする予定である。 まず朝8時にレンタカー屋で車を借り、一度コンドミニアムに戻って家族と荷物を積み込み、食料品を買い込みに父島の中心である大村へ向かう。父島では大村の町中以外だとほぼ飲み物や食べ物等を買うのは不可能なのでどこに行く場合もまずスーパーで食料品を仕入れる必要がある。父島には生協のスーパーとスーパー小祝という2つのスーパーがありだいたいの食料品は買える。 おがさわら丸が寄航した後の数日は品揃えも豊富で内地のスーパーとあまり変わらない。 ここで飲み物と食料品を買い込んでビーチへ向かう。 まず向かったのは道路が整備されて車でいける一番遠いビーチである、小港海岸へ向かう。 この海岸は父島では珍しい遠浅で砂の底のビーチで、裸足で泳げる数少ない場所である。 水は透き通るように綺麗で、白い砂の底と相まってコバルトブルーの海である。 浮島が2つ接地された波のおだやかなビーチで、子供連れには最適の場所である。 他のサンゴがたくさんあるビーチだと子供がすぐ怪我をするので目が離せないがここは安心である。 しかもビーチの端にある2つの海中トンネルを抜けていくと隣のコペペ海岸へ泳いで行けるのでとても楽しい。 コペペ海岸の周辺は小港とはうって変わって綺麗な珊瑚礁で熱帯魚もたくさんいる。 一つのエリアで2つの違う特徴をもった海岸を満喫できるのでこのビーチは超気に入ってしまった。
あまりに気に入ってしまったので、ビーチ巡りのつもりが結局このビーチで1日遊んで過ごしてしまった。 今回は家族全員最初から長袖のラッシュガードを着て泳いでいたので、露出している顔や手、足以外は日焼けせず、痛くならずに済んだ。 出ていた場所は日焼け止めを塗ったのにも関わらずかなり日焼けして痛かったのでやはり小笠原ではラッシュガードは必須だと思う。
夕方までたっぷりと小港海岸で遊んで、車で大村の町へ戻る。 この日の夕方に大村の海岸でアオウミガメの放流イベントがあるのでそれを見に行くのだ。
車を海岸近くに停め、大村海岸に行くと既に人だかりが出来ていた。トラックが2台停まっていて、荷台から大きなウミガメを4匹海岸に下ろし、見物客の花道のなか亀はゆっくりと海に向かって歩き、海の中に消えていった。
子供達は目の前で大きなウミガメを見て興奮気味だった。
カメの放流後は大村の町の食堂でみんなで食事をして、外に出ると夜空の星があまりに綺麗だったので大村の町外れの高台にあるウェザーステーションの展望台まで車で行ってしばし星空を観測した。 早いもので明日はもう帰りの船に乗るのである。 家族でしばし小笠原の最後の夜を楽しんだ。
大村にあるスーパーの中
小港海岸。前方の岩に開いている2つの
トンネルが海中トンネルで
トンネルを抜けると珊瑚礁の綺麗な
コペペ海岸へ行ける。
浮島と浮いている○×△。
大村海岸でアオウミガメの放流
亀と末っ子。
一生懸命海を目指すが、
なにぶん亀なもので遅い。
大村にある神社へ至る階段。
元気な子供達は競争して昇っていた。
ウェザーステーションにある展望台。
ここが世界自然遺産になるといいなぁ。
でも自然遺産に指定されて観光客が
大勢来るようになるとと自然が壊れるから
やっぱり今のままが一番なのかな。
5日目 去りがたき島
いよいよ今日は最後の日である。 思えば1年前に思い立って家族全員で一生懸命貯金してやっと念願叶って来たのであるが、島での生活は正にあっと言う間であった。 今回は俗に言う「1航海」つまりおがさわら丸が東京に戻ってまた父島に来るまでの3泊の滞在であった。 でも本当に楽しむには最低でも2航海(つまり6泊)の滞在が必要だと痛感した。
この日は船の出港時間が午後の2時なので朝から半日のドルフィンスイムツアーに申し込んだ。 朝8時にコンドミニアムを出て荷物と家族をレンタカーに乗せ先日お世話になったパパヤさんへ。 そこで荷物と家族を下ろし自分はレンタカーを返しに行く。 その後クルーザーの出る桟橋で落ち合って再びドルフィンスイムに出航する。 半日コースでもドルフィンスイム、南島上陸、海中公園のスノーケリングが付いているが、先日南島に上陸している松千代一家は上陸せず、そのままイルカを探してドルフィンスイムをすることにした。 この判断は大正解で、ツアー客の大多数が南島に行っている間ほぼ貸切状態でドルフィンスイムが出来た。 南島組と分かれてほどなくすると船長が海面上に激しく飛び上がっているイルカを発見、近づくとミナミハンドウイルカのようだ。でもとりあえずエントリーしてみると好奇心の強いイルカはすぐに向こうから寄ってきた。 どうやら数倒の群れのようで、自分達と遊びたいのか周りをクルクル廻ったりそれこそ手が触れるくらいまで近づいてきたりした。 奥様も子供達も大興奮である。 良くイルカを見ると激しくジャンプしていたイルカの目の上に大きなコバンザメがくっついている。 どうやらそれがウザいらしく、飛び跳ねて取ろうとしていたようだ。 そのイルカはとにかく凄いスピードでクルクル廻ったりジャンプしたりしてコバンザメを剥がそうと必死だが、水中で見ている自分達はとても楽しめた。程なくして自分達に飽きたのか群れは深い海の底に消えて行ってしまった。 ドルフィンスイムの後はナンヨウハギがたくさん見える根があるからそこに行こうということで移動する。 海のど真ん中で停まって「ココで入っって。流れが速いからそのまま流れて行って後で船で拾うから。」って。
早速海に入ると下に大きな根が見えて、その周りにたくさんの青い魚が群れていた。 流れに身を任せながら根に近づいていくとナンヨウハギの群れだった。100匹以上はいるだろうか。 そしてふと根の上を見ると大きなウミガメが2匹悠々と泳いでいた。 陸では動きがトロかった亀だが、海中ではまるで飛行機のように気持ち良さそうに浮かんでいた。 イルカだけでなくウミガメまでも海中で見れた奥様と子供達は大喜びだった。流されては船に拾ってもらい、また根の上流からエントリーすることを繰り返し30分程スキンダイビングを楽しんだ。
最後は娘が海中でサメ(おとなしいネムリブカ)を見た為ここでのダイビングは終了とした。
南島組と合流し、再び龍宮城のような兄島海中公園へ。 そこで1時間ばかりスキンダイビングで遊んで時間が迫ってきたので急いで港へ向かう。 港についたのが午後12時45分。 急いで宿まで送ってもらいシャワーを浴び、パッキングをしておがさわら丸の桟橋に向かう。2時出航のところなんとか1時30分頃に桟橋に到着。慌しく乗船手続きをして船に乗り込むと感傷にひたる間も無く出航となった。 一息ついて甲板に出るとたくさんのクルーザーが見送りに付いてきていた。 おがさわら丸出航名物はいくつかあって、一つは島太鼓の演奏。 そして多くの船の見送り。あとは桟橋や堤防、そして見送りの船から次々と人が海に飛び込むパフォーマンスである。
甲板から見ているとたくさんの船が別れを惜しむようにおがさわら丸に併走している。港を出てずいぶん走ってもまだついてくる。 船の人達は一様に手を振りながら大声で「また来いよ〜」って叫んでいる。 と思ったら次々と海へ飛び込み始めた。 客が海に飛び込んだ船は停止し、1隻また1隻と離れていく。
最後の1隻が離れていく頃、父島は遥か遠くに霞んでいた。
海面からクルーザーを望む。
手が届きそうな位近くに寄ってきた。
娘とイルカさん。
お兄ちゃんと奥様とイルカさん
お世話になったコンドミニアム
レンタルスクーターを借りた父島タクシーさん
出航を待つおがさわら丸
出航時の名物「島太鼓演奏」
見送りの人達
見送りの船たち
船から飛び込み開始
霞む父島。
さようなら小笠原諸島。
さようならイルカさん、クジラさん、ウミガメさん。
来年も絶対に来るからね〜ww
6日目 現実世界への帰還
前日に小笠原の二見港を出航した後、疲れと現実逃避の為すぐに船室のベッドで寝込んでしまった。 夕方に食事の為に一度起きて再び寝る。 夜10時の消灯前に一度起きてトイレと歯磨き等を済ませまた寝る。 頭にあるのは楽しかった島の生活と美しく雄大な小笠原の自然、そしてこれから待っているであろう現実社会のこと、仕事のこと。 なんか久しぶりに祭りの後の空しさを味わっている。 でも寝る毎に、目が覚める毎に、ゆっくりと現実世界へ慣れていくというか戻っていくようだ。 海の色が透きとおるようなボニンブルーからだんだん暗く茶色く変わるように自分の心の色も変わっているのだろうか。
そう考えると25時間半の船旅っていうのも悪くはないな。 まるで夢の世界と現実世界を繋ぐトンネルを通っているようだ。
さすがに寝疲れて朝7時に起きて甲板に出てみるともうそこには透きとおるようなボニンブルーの海は無かった。
八丈島沖を通過し、大島沖を通過し、東京湾内に入る。 とたんに海の色が茶色になる。 僕の心も茶色になる。
実は東京湾に入ってからが時間がかかるのである。 船は速度を落として航行するので湾に入ってから竹芝に着岸するまでなんと4時間半もかかるのである。 今回は行きも帰りも海は静かで快適だったけど、海が荒れていたら半端無く大変なのは想像に難くない。 それは船内の各所至る所にぶら下っている白いビニール袋が物語っている。
そして無事午後3時半に竹芝桟橋に着岸。
松千代家の小笠原旅行は終わりを告げた。
いや、実際は着岸した瞬間に再び来年の第二回小笠原旅行の計画が僕の中で始まったのである。
来年も絶対に行くぞ〜!! 今度は2航海で。 そのためにはしっかり働かないとね!!
おしまい