熱血
富士・箱根 極寒ツーリング
日時:平成16年2月11日(水)
コース: 練馬⇒第三京浜⇒保土ヶ谷SA⇒横浜新道⇒国道1号⇒国道134号⇒西湘バイパス⇒西湘PA箱根ターンパイク料金所⇒国道1号⇒箱根⇒芦ノ湖⇒県道75号⇒国道138号⇒御殿場⇒山中湖⇒道の駅富士吉田⇒国道139号⇒大月⇒国道20号⇒大垂水峠⇒八王子⇒府中⇒練馬      ※赤文字は休憩場所
さて、今日はTuonoを手に入れてから初めての本格的なツーリングである。 天気予報では今日は小春日和で暖かいとのことなので、山のワインディングもコースに加えて思いっきり(といってもまだ慣らし中なんでほどほどに)走ってやるつもりだ。

朝は5時半に起床し、6時半に出発した。 松千代は非常に寝起きが悪く、早起きは苦手なのだが、さすがTuonoの初ツーリングとあって目覚ましが鳴る前にばっちり目が覚めた。
バイクを環七に出し、暖気運転をする。 さすがに早朝は寒い。

出発前
環七をひた走り、246号から環八を左に曲がり第三京浜へ。 さすがに休日の早朝とあって道は空いている。 第三京浜で各ギアで6千回転近くまで引っ張ってみると140kmを超えてきた。 さすがに速い。 そうこうしているうちにあっという間に保土ヶ谷SAへ到着。 朝7時20分頃だった。 ここで朝食を食べることにする。 今回はお金があまりないので、一番安くて身体が温まりそうな保土ヶ谷SA名物、「宿場ラーメン」を食べる。

食事を終え、コーヒーを飲みながら外に出ると、結構バイクが集まっていた。 
15台位であろうか、そのうち8台位が一つの大きなグループのようで、中でも6本サイレンサーの黄色い6気筒CBXが目立っていた。 その他の連中は原型がどこのバイクか分からない位いじり倒してあり、すべてオリジナルペイントを施されたチューンドマシンであった。
松千代がコーヒーを飲んでいる間にそのグループはけたたましい爆音を撒き散らしながら次々と出発していった。 何故、改造したマシンに乗ってる人は一様に出発する時吹かしまくるんだろうとふと考えてしまった。 そう言えばこの間ここに来たとき、SA内で思いっきり吹かしたと思ったら、バイクがコントロールを失って横転、ライダーも思いっきり地面に叩きつけられたのを目撃したけど、大型バイクはただでさえパワーがあるのに、それをチューンしてさらに馬力を上げているようなバイクで不用意に吹かしたり、アクセルを開けたりしたら危ないよね。みなさんも気をつけましょう。

さて、少しして松千代も出発する。 SAを出てすぐ横浜新道への分岐があり、その先にトンネルがあるのだが、横浜新道の方に入ってすぐに上の掲示板を見ると、なんと

「トンネル内火災につき進入禁止」

とサインが出ていた!
進入禁止と言われても、すでに横浜新道に入ってしまっているのでUターンは出来ないし、どうやら車も通っているようなので、松千代もゆっくりとトンネルに入っていく。
トンネルの出口付近に先ほどSAにいた黄色いCBXとその仲間達のバイクが止まっていた。その中の一台が、

消化液で真っ白となっていて、その横にこれまた

消化液で真っ白となったライダーがうずくまっていた。

何があったかは想像に難くないが、どうやら寒くて火を付けた訳ではなさそうだ。 
運良くライダーは大丈夫のようだったが、マシンは廃車であろう。 何十万をかけてあそこまで改造したかは分からないが、なにか、チューンドマシンの悲しい末路を見たような気がして滑稽だった。 やはり改造はほどほどにした方が良さそうだ。

横浜新道を抜け、国道一号を小田原へ向かって走っていく。 途中、海岸沿いを走りたくなったので、国道134号へ。 134号から西湘バイパスに入ることにする。 
ガソリンが少なくなった(警告灯が点いた)ので、西湘バイパスに入る前にセルフスタンドで給油する。 Tuonoの給油口は結構狭くなっていて下手な店員だとガソリンをこぼされるので、松千代はなるべくセルフ給油を利用するようにしている。
190km走って給油量が11・5L。 燃費は16、5km/Lか。 実はTuonoのネックは最悪な部類の燃費なのだが、今回は他のビックバイク並に走ったようだ。 

給油を終え西湘バイパスに入る。 気温は相変わらず低くとても寒いが、左手に海を見ながらTuonoを走らせるのも中々気分が良い。  慣らし運転の松千代がのんびり走っている横を凄まじい勢いで次々とバイクが抜いていく。 さすがにここまでくるとバイクの数が多い。

寒さも限界に近くなってきたので、西湘PAで休憩することにする。
PAに入っていくと、いるわいるわ、この糞寒いのにバイクが沢山止まっていた。 ざっと6〜70台はいるようだ。 
松千代はバイクが沢山たむろしている場所を避け、奥の車の駐車スペースの方にバイクを止めた。 寒いので建物の中に入ってコーヒーを買い、しばし身体を暖める。
そうこうしているうちに次々とバイクが爆音を響かせてPAに入ってくる。 これだけバイクがあるのに、アプリリア製のバイクは松千代号だけ。 やっぱりかなりマイナーなようだ。

PAにて

バイクの集団

Smartと

あまりに身体が冷え切っていたため、コーヒー2杯、ホットレモン1杯を飲んで身体と手を温める。 そうこうしながらふと外を見ると、見覚えのある黄色の6気筒CBXがいた。
もちろん真っ白になった彼はいないが、他のメンバーは一緒にいる。

どうやら炎上した彼を置いてきたらしい。

しかもガス補給しか止まっていない松千代より10分程度の遅れで到着なんて・・・・。    なんて冷たいやつらだ。 まあ、他人のことなんてどうでもいいか。

身体も温まってきたので、PAを出発する。 いよいよ松千代が楽しみにしていた本格的な峠道、 箱根ターンパイクへ向かう。 次の休憩はライダーのメッカである大観山の予定だ。 今日のように天気の良い休日の大観山であれば、アプリリアもいるだろう。

小田原城の横を抜け、ターンパイク方面へ左折する。 料金所に着くと、何故か車が次々とUターンさせられていた。 看板を良く見ると、

「箱根ターンパイクチェーン規制」

だって。

ターンパイク料金所

この時点で大観山は諦め、地図を見て次のコースを考える。 国道1号で箱根に抜け、芦ノ湖から御殿場に向かえば、結構ワインディングが楽しめそうだと分かり、国道1号に戻って箱根方面へ向かう。
箱根湯元を過ぎ、どんどん峠を登って行く。 車は結構走っているが、バイクは1台も見ない。強羅を過ぎる頃から道端に雪が見えはじめ、路面も濡れてきた。 気温もどんどん下がり、身体、特にコーリン製の安物の皮グローブをしている両手は千切れそうに痛い。 
さらに登ると路面にもなにやら白いモノが見え始めた。 そこかしこに
「凍結注意」の看板が目に付く。
道端の気温表示をみると、

1℃

だって。
1℃なら凍結はしないなと楽観的に考えながらも、慎重にTuonoを走らせる。
そろそろ身体も限界に近づいてきた時に芦ノ湖の湖畔に到着する。

たまらず湖畔にあるコンビニに入り、ホットコーヒーを買って飲む。
身体もある程度温まったところで、外に出て海賊船(観光船)が出航するのを見ていると、止めてあるTuonoに外人さんの2人組みが近寄ってきて興奮した口調でなにか喋りあっている。 このような時、何を言っているのかが分かるので英語が分かると便利である。
どうやら彼らは、Tuonoの実車を初めて見たらしく、

「雑誌で見たより実物がカッコいい」 とか、
「このスタイルが最高だ」とか言っていた。

そしておもむろにバックからカメラを取り出し、横にいた松千代に、
「これ君のバイクかい?」 「写真を撮って良いかい?」 「これ日本で買ったの?」とか英語で話し掛けてきた。 
日本人にはあまり受けないTuonoはどうやら外人受けするらしい。 まあ、もともと外車だから当たり前か。


芦ノ湖の
コンビニ前で

しばし、外人さんとお話をした後、芦ノ湖を後にする。 次の目的地は御殿場で、そこまで行く間に良さそうなワインディングがあるのである。

芦ノ湖の湖畔の道路から、仙石原を抜け、国道138号を御殿場へ向かう。 気温は相変わらず1℃と恐ろしく寒い。 いくら温まっても1kmも走ると手が千切れそうになってくる。     峠にさしかかっても、道端の雪と濡れた路面を見ると萎えてしまう。 結局あまり飛ばせずに御殿場へ到着。 御殿場からは、246で一気に帰るか、山中湖を抜け、河口湖の手前から大月に抜けて20号で帰るか悩んだが、時間も早いし、なんといっても大垂水峠を走れる20号を選択した。 
御殿場から山中湖へ向かう道は空いていて、目の前に雪化粧をした富士山が雄大に見えるので非常に快適であった。 ただし、道端には相変わらず雪が積もっているのが不快だが。

寒さに震えながら国道138号をひた走ると、山中湖に着いた。 山中湖畔を周る道路を走り、今度は河口湖へ向かう。


正面に富士山を望む

山中湖

寒さに耐えられずに、河口湖の手前の富士吉田にある道の駅で休憩することにする。 この道の駅、すぐ横にアイススケートリンクがあり、なにか余計に寒寒としてしまうのは気のせいだろうか。 時計を見ると丁度12時になったところだった。 そう言えば心なしか日差しが暖かくなってきたようだ。 これからは今まで以上には寒い思いはしないで済むと思うとなんだか気が楽になった。

富士吉田からは、国道139号で大月に抜ける。 大月からは国道20号でひたすら東京を目指す。 国道20号に入ったあたりからかなり気温が上がってきたようで、身体が随分と楽になってきた。 その代わり、異常にぶっとい脚の為、きつい皮パンを無理して履いていた為、脚が痺れて辛くなってきた。 

相模湖を抜けて大垂水峠にさしかかる。 大垂水峠と言えば、松千代が高校生の頃はバイク小僧のメッカで、毎週末ともなると何百台というバイクが集まっていた峠なのだが、今は不快なデコボコ舗装のため、以前の面影はない。 しかし、いくらローリング族を締め出す為とはいえ、あの舗装ほど不快なものはない。 特にTuonoはサスのセッティングが固めなので、非常に走りにくいのである。 でもデコボコのない所では結構思いっきり走らせて見た。
やっぱりTuonoにとっての最高のシチュエーションはワインディングだと思った。 ブレーキは恐ろしい程しっかりと効くし、車体の挙動がとにかく恐ろしくクイックで、あっという間に倒れてセンターに寄って行くのだが、倒しこんだ時の安定性は物凄く高い。 そして出口に向かってアクセルを開いていくと、しっかりとしたトラクションで路面を蹴りまくって猛然と加速して行く。街乗りでは不快な程バックしてアップしたステップもワインディングではとても走りやすいポジションに感じた。 とても秀逸なポジションである。 ツインならではの楽しみを感じながら大垂水峠を抜けた松千代であった。

大垂水を抜け、八王子を過ぎて以前住んでいたことのある谷保を通過し、東八通りに入る。 三鷹付近で、遅い昼食を取り、ガソリンを補給する。
今回は200kmで、12.5L。 燃費はやっぱり16km/L弱。 高速道をほとんど走らず、山道主体だった割には良く伸びた。 もしかしてTuonoの燃費って思ったよりは悪くないかも。  
そして練馬の家に到着したのが午後3時半。 丁度9時間の行程だったが、寒さの為体力の消耗が激しく、結構疲れきってしまった。 早く風呂にでも入ってゆっくりしたかったのだが、 バイクが汚れているのと、凍結防止剤のまかれた道を走ったので、どうしても今日中に洗車をしなければと、頑張って洗車をする松千代であった。


本日の走行距離284,6km
平均速度48km

洗車してきれいに
なった松千代号

おしまい。