Tuono⇒Milleono Factory    4年目の大改造
平成20年2月2日&2月10日、11日
先週と今週末を使ってとうとう完成しました。 いろいろとトラブルはありましたが何とか無事形になりました。 あとは自分自身をこのマシンに慣らしていく必要があります。 もし誰かが一部でも同じようなモディファイをする時に参考になればと作業の詳細を書いときます。 ただ、かなり切羽詰っていた所もありあまり写真を取ってる暇がなかったです。 作業は後輪部分とマフラー、前輪部分と分けて行いました。それでは悪戦苦闘の作業の詳細をどうぞ!
後輪編
まず、後輪部分から取り掛かります。
作業内容は、
・リアホイールの交換
・リアホイールベアリングをOZホイールに入れ替える。
・スプロケットベアリング交換
・OZホイールのエアーバルブ交換
・リアリンク部取り外しとグリスアップ
・リアサスペンション交換
・スイングアーム取り外しとグリスアップ
・エグゾーストパイプ交換
とこんな感じです。

後輪の取り外しとリアホイールのバルブ交換、そしてリアホイールのベアリングの入れ替えはは順調に行きましたが、第一の障害がこれです。 リアスプロケットのベアリング交換です。 まず、恐ろしく固くて全く抜けません。また、ホイールと違い小さいので力を入れるとすぐ動くので万力に挟んで作業しました。 万力で押さえ馬鹿力でぎりぎりと締めてたらなんとプーラーのブリッジが曲がっちゃいました。 さすが安物台湾工具って感じです。 ブリッジは万力で整形してなんとか使えるようになりましたが、なんとか外さなければ。
で、キャンプ用のガスバーナーで炙って、これまたキャンプ用に買った巨大ハンマーで裏から一撃を食らわしたら少し動いたので後はプーラーでなんとか抜けました。 今度はスマートにヒートガンかなんか買おうと思います。
次に新しいベアリングのシールを外し、オメガ57の極圧グリスをタップリ入れて再びシールします。 このベアリングをスプロケットに叩き込むのですが、これがまた全く入っていきません。 最初は浸透潤滑剤とか塗ってやってましたが、上手く行かないのでシルコリンの固めのグリスを塗ったところ、少しづつ入っていきました。 リアスプロケットにはベアリングが2個入っているので2倍大変でした。
ここでやっと車体の方に取り掛かります。この時点で3時を回ってます。 先が思いやられる・・・・・。
リンク部を分解し、清掃とグリスアップして置いておき、リアサスを取り外します。 取り外したリアサスは自由長を図っておき、後でつけるオーリンズの自由長をとりあえずこれに合わせます。 バネレートが違うので厳密には乗車での車高を合わせる方が姿勢が激変しないので良いのですが、まあセパハンにするのでいずれにせよ激変するので適当で良いかと。 で、次にエグゾーストパイプをそっくり取り外すのですがここに大きな落とし穴が。

外せなくて呆然としている時の1枚
サイレンサーと前バンクのエキパイ、そしてジョイント部は難なく取り外せたのですが、ここで大きな問題に直面します。 後バンクのエキパイフランジのナットの一つがどうしても外せないのです。 固いとかそういう問題ではなく、リアショックを避ける為に曲げられたエキパイの為工具がかけられないのです。 しかも奥まった狭い場所にあるので他の方向からのアクセスも不可能です。色々とやってみて、1/4のラチェットと短めのエクステンションバーにユニバーサルジョイントを付ければなんとかナットに少しかかるのを発見しそれで頑張るが、かかりが浅いのと1/4では力もあまり入らないので外せない。かといって3/8では大きすぎて入らない。タンクを外しても少しの隙間が出来るだけでダメ。 バッテリーやCPUボックスごとリアフェンダーを取り外せば出来そうだが、それも手間なんでなんとかならないかと再びラチェットで悪戦苦闘し、1/4の先端部、エクステンション、ユニバーサルジョイントに1/4・3/8変換アダプターを付けて3/8ラチェットで廻すという技でなんとか外せた。 文で書くと短いが実はこの作業で2時間以上費やしたのだった。
エグゾーストパイプの撤去が済んでスイングアームの取り外しとグリスアップを行う。 スイングアームの取り外しには14mmのヘキサゴンと特殊なロックナットレンチが必要。 ロックナットレンチはアストロプロダクツでホンダ純正の奴がジャストサイズで手に入る。
14mmのヘキサゴンはステムロックナットも同径なんでTuonoオーナーは一個持っていても良いかも。
後はひたすら組み立てです。
スイングアームを取り付け、TIGのフルエキを組んでいく。 これも中古のため、取り付け説明書なんてものはないのでバラバラのパーツやスプリングを勘を頼りに組んでいく。 外すのに手間取った後バンクのフランジナットは一度やり方を憶えたらあまり苦労せずに締められた。ここであるツールが大活躍した。 なんせとても狭い所にナットを付けるので時たま手から滑り落ちてとんでもない所に落ちて引っかかってしまうのだ。 そんな時強力磁石のついたピックアップツールがあるととても便利です。 僕も以前買っておいたのがとても役に立ちました。これが無ければ更に数時間無駄に費やしていたことでしょう。 サスを取りつけ、最後にホイールを組んでこの日の作業は終了。 時計を見ると10時半でした。ほぼぶっ通しの12時間作業でした。 
前輪編(2月10日、11日)
前回の後輪作業から1週間が経ちました。雪が降ったりとなかなか作業にかかれなかったです。 この日も前日は吹雪でしたのでちょっと心配でしたがなんとか作業できました。
今回の作業は、
・プラグの交換(イリジウムレーシング)
・フロントカウル加工(ミラー付ける為)
・フロントホイールベアリング入れ替え
・フロントホイール交換
・ステムアウターレースの打ち換え
・ステムの交換
・フロントフォーク交換
・ブレーキキャリパー交換
・ハンドル交換
・ミラー取り付け
と今回もてんこ盛りです。
で、プラグ交換を終えてフロントカウルの加工です。 ここで活躍するのが写真の電動ドリルとホールソーです。 ホールソーは28mmの奴でぴったしの穴が開きます。
このように穴を開けます。 
自分は適当に穴を合わせて開けたので若干ズレてて、後でドリルで穴を削ったりと処理が大変でしたがもし誰かやる時はちゃんと厳密に測ってやりましょう。
こんな感じでミラーの土台が付きます。ミラーは03ミレのミラーなら穴さえ開ければボン付けできます。 04以降のウィンカー内蔵ミラーはフレームの穴のピッチが違うので付けるにはフレームの方にも加工が必要です。
このように適当にやったら穴が若干ズレて失敗してしまいました・・・・・。
次にフロントホイールを外し、先日入れたばかりのベアリングを取り外してOZホイールの古ベアリングと交換します。 そしてフォークを抜いてステムを外すのですが、ステムを外す前にトップブリッジを外してキーシリンダーを外すのですが、そこで大きな問題が一つ。
キーシリンダーをトップブリッジに止めているボルトは片方は普通のヘキサゴンなんですが、もう片方がなんと規定トルクでボルトの頭が取れて外せなくなるという盗難防止?ボルトでした。 どうやって外せば良いのか全く判らず、しばし呆然とした後気を取り直してバイク屋の兄ちゃんに電話し相談すると、ボルトの頭が取れてる訳だから端を細いタガネかなんかで気長に叩いて廻すか、ドリルでもんで外すかしかないとのこと。 で、トップブリッジを万力に固定し、細いドリルからだんだん太くして良くと頭が跳ね飛んで無事キーシリンダーが外れました。
次にステムを外すにはロアープラケットに付いているステアリングダンパーを外す必要があります。 しかしここに今回最大の落とし穴がまっていました。 ステアリングダンパーはフレームに接続しているのですが、このボルトは実は写真のようにメクラネジで横から固定されているのです。 これに気付かず下のボルトを力任せにTレンチで外したらボルトの先端1cm位を中に残してボルトが捻じ切れてしまったのです。 呆然とするも後の祭りで、とにかくこの残ったボルトの先を外すかステダンの装着を諦めるかしないといけない状況になりました。 色々と試行錯誤を重ね、最終的には細いドリルで残ったボルトの先に2つ穴を開けてその間に細いマイナスドライバーをハンマーで叩き込み慎重に廻して今回は幸運にもなんとか取り外すことに成功しました。しかしドリルで穴を開ける作業でネジ山を崩してしまったのでタップで新しいネジ山を作る必要がありました。この作業に3時間以上かかってしまいました。
ちなみに今回使ったステムは04ファクトリーのステムなのでロアープラケットの位置が少し低くてそのままでは取り付けられないので、写真のようにスペーサーをかませて取り付けました。
そして次はいよいよステムの取り外しです。
純正のステムはボールベアリングです。これをテーパーローラーベアリングに変更するのですが、アウターレースを打ち換える必要があります。
取り外したステムです。 4年ものなんでグリスはかなり汚れて真っ黒ですし、グリスも切れ気味でした。 2年位に一度はグリスアップをお勧めします。
取り外したパーツ群です。
アウターレースの取り外しですが、事前にタガネ用として大きな貫通マイナスドライバーを買っていたのでそれで打ち抜きました。
これも中々抜けないのでハンマーは鉄製のなるべく大きな奴を使うのが良いと思います。
上から下を打ち抜くのは良いのですが下から上のレースを打ち抜くのはかなり骨です。 で、打ち抜いた後はグリスをタップリ塗ってテーパーローラーベアリング用のアウターレースを挿入するのですが、写真のような特工を自作してやると簡単です。材料費はホムセンで買えば100〜200円です。
ミレファクトリーのトップブリッジとステムを取り付けます。 ミレファクのトップブリッジは穴開きでカッコイイです。
セパハンの取り付けです。
やっと黄金の脚がつきました。
ここらへんが疲れと寒さのピークでした。時間は10時を回ってます。 
ラジポンを取り付けてフロントホイールを取り付けてキャリパーを取り付けて・・・・・・・
ハンドルの位置決めです。実はセパハンの裏にトップブリッジに留める位置決めのネジ穴があるのですがそんなものには気付かず適当に合わせてます。ちょっと絞り過ぎかなぁ。
フロントカウルとミラーを取り付けてほぼ形になりました。 実はこの他にも、もともとアップハンだったので余ったケーブル類の取り回しとかリザーバータンクの干渉とか色々と細々した調整がありかなり時間がかかりました。
夜中の1時を回ってやっと形は出来上がりました。 まだクラッチフルードとブレーキフルードは入ってないので走れません。 もう力尽きたのであとは明日にしよう。
テストライド
一夜明けて翌日。 今日は天気も良いし、さっさとブレーキとクラッチにオイル入れてテストライドだ!! と意気込んでさっさとフルードを入れてエア抜きをする。 この辺は慣れているのであっと言う間に終了。
駐車場から押して道に出し早速エンジンをかけてみる。 押した感じはやはりフルエキと前後ホイールの効果は大きいのかとても軽い。 エンジンをかけるとTIGのフルエキはレーシングサイレンサーだけあって恐ろしくウルサイ。 前のチタンスリップオンの重低音に比べ音量自体はたいして変わりないが音質が高く近くにいると頭にギンギン響く音だ。 で、アイドリングしながら各部を点検すると・・・・・なんかマスターシリンダーからオイル漏れてるし。 バンジョーボルトを触ると指で廻るしww。 どうやら昨夜つけた後にバンジョーボルトを本締めするのを忘れてたらしい。 それ以外にも、サイドスタンドのセンサーがズレてていざ発進しようと1速に入れるとエンジンがストールする、リアブレーキランプのスイッチがズレてて付かない、アンダーカウルがマフラーと干渉して溶けてる等、色々と不具合が見つかった。
それらを一つ一つ修正してやっと発進。 
ポジションはやはりキツく、なれるまでは時間がかかるかも。でも結構乗り易い。 交差点とかでバイクを倒す時の挙動も中々いい。 サスも良く動いているし、ブレーキも超強力。 ポジションが変わったのであまり解からないが車速は乗っているのでフルエキで中高速のトルクが増したかも。これならすぐにサーキットでそこそこ走れそうだ。 でもツーリングには行く気はしないなぁ。
完成です。
前後のホイールの色が違うのが愛嬌です。
強力なラジアルマウントキャリパー。
04ファクのトップブリッジは肉抜きしてあってなかなかカッコイイです。
03ミレのミラーです。
このように畳めます。
前から見た図。愛嬌が増しました。
斜め横から。
反対側の斜め横から。
オーリンズのリアサスです。
後から見た図。ツインテールはやはりカッコイイですね。
インパネです。
この時はちゃんとボルトで位置調整してますのでこれがミレ純正ポジションです。